新聞やチラシ、雑誌の裏表紙を鮮やかに飾る、『クルマの広告』。
要するに、クルマの宣伝ですが、今日はクルマの広告の今と昔を比べてみようと思います。
メーカーによって、様々なレイアウトが組まれているクルマの広告。
宣伝したいクルマの写真を、それもいいアングルで載せ、
そのクルマのセールスポイントとなるところをピックアップして紹介したり、
カッコイイキャッチコピーが目を引く。
今と昔で、何が変わったかって?
パッと見では、その違いは分かりませんが、小さな文字で細々と書かれているところに、
明らかな違いが出てきているのです。しかも、全メーカー規模で、ほぼ同時期に(笑)。
では、実例を挙げて、紹介しましょう。
三菱
『シートベルト・チャイルドシートをしっかりと。スピードは控えめに。』
↓
『スピードは控えめに。
エコドライブで環境にやさしく。』
トヨタ
『スピードはひかえめに。シートベルトやチャイルドシートを忘れずに。』
↓
『発進・加速はゆるやかに。
エコドライブに心がけよう。』
スバル
『シートベルトをしめて安全運転。チャイルドシートも忘れずに。』
↓
『環境にやさしい
エコドライブで、安全運転を。』
とまぁ、ほんの一握りを紹介しましたが、各社が一斉に、広告のあんなちまちましたところを書き換えているのって、おかしくないですか?
まとめると、「安全運転しよう!」から、「エコドライブしよう!」になっている、ということ。
各社が一斉にこうして書き換えるようになったのは、大体、昨年の12月から今年の1月にかけて。
最近、道路交通法が改正されたとも聞かないし…、なぜ?
うむむ… 検証すると、こうなる。
最近は自動車の安全性能も向上してきて、多少の事故じゃなんともない。
安全性能の向上は日進月歩でも、エンジンの燃費性能は、そううまくはいってない。
もう事故に関してはダイジョウブだから、それよりも、燃費を気遣ってくれたまえ!
あくまで推測だが、各社一斉にこういうことを訴えたい、と捉えてよいのか?
それとも、最近の原油の値段高騰も踏まえ、ユーザーを気遣って、こういうことを書いているのだろうか。
さらに、検証してみる。
調べてみると、どうやら、お国のやっていることが関係しているらしい…
警察庁、経済産業省、国交省、環境省の4つの省庁からなる、「エコドライブ普及連絡会」が、
昨年12月に燃費を向上させるための活動を具体化。
そのひとつとして、「やさしい発進」を推進しようと名称を募集し、決定されたのが「ふんわりアクセル『eスタート』」。
この、「ふんわりアクセル『eスタート』」とは、「回転系が装備されている場合、2000回転程度を超えないようにアクセルを踏み込みます。」とのこと。
要するに、発進加速にアクセルをバンバン踏み込むな、ということだろう。
ということは、クルマの広告の“メーカーからユーザーへのメッセージ”が各社一斉に、しかも年末年始あたりから書き換えられたのは、
この「エコドライブ普及連絡会」が昨年12月に活動を具体化させたから、ということなんですねぇ。
なるほど。
〔参考〕
・CARトップ 4月号(交通タイムス社)
・チーム・マイナス6%“ふんわりアクセル「eスタート」”
上記の雑誌・サイトならびに関係者さん、ありがとうございました。
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